ホテル・ルワンダ
映画『ホテル・ルワンダ』を観た。
ルワンダで実際にあった民族間争い、フツ族によるツチ族大虐殺の中で1200人余のツチ族を助けたポール・ルセサバギナを描いた映画。
1994年、ルワンダでは民族間争いからやがてフツ族によるツチ族の大量虐殺に発展していた。外国人向けの高級ホテル「ミル・コリン・ホテル」支配人ポール(ドン・チードル)の元には、フツ族から逃れてきたツチ族たちが難民として集まるようになる。ホテルの難民はやがて1268人に膨れ上がっていた。
ポールはスーパーマンでもヒーローでもない。また、最初から1200人を超える人達を助けようと思っていたわけでもない。最初は、自分の家族を助けるので精一杯で向かいの家族を救うことさえ拒んでいた。しかし、支配人の立場上成り行きとも言える状況で、彼の元に集う多くの人達を助けることになる。彼は、そんな状況から最後まで逃げることなく、自らできる最大限の努力と工夫だけで乗り切る。
正直、映画を観始めて暫くはフツ族とツチ族の区別が付かなかった。しかし、ハリウッド映画とは全く違うリアルで媚びない映像とドラマに、いつの間にか圧倒されていた。勿論、実話と知ってのことだが、戦争も民族紛争も知らない日本人には、とても現実の出来事とは思えない。直接映像として表現できないほどの悲惨な現実に、ただただ圧倒されるばかり。涙さえ出ることはない。想像を超える出来事に、悲しいという感情すら持てなかった。
この映画はドキュメンタリー形式をとらなかったので、こういったメッセージをより強く伝えることが出来て正解だった。そのメッセージを確実に伝える、ドン・チードルが素晴らしかった。
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1人ひとりがポール・ルセサバギナのような行動をとることは難しいだろうけど、ポールの行動を正しいと思う人が大多数である世ならば捨てたものじゃないかもしれない。
1994年、アフリカのルワンダで多数派フツ族による少数派ツチ族の80万人もの大量虐殺が起きた際、外資系高級ホテル「ミル・コリン・ホテル」支配人のポール・ルセサバギナが、ツチ族の妻や友人たち、命の危険にさらされた人たちを救うために奮闘した実話に基づいた物語。16世紀に北方からやって来た遊... [続きを読む]
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こんにちわ。jesterです。さっそくルワンダの記事にTBありがとうございました。
こちらの記事もよまさせていただきました。
あ~るさんとほんとに同じ気持ちです!
なるべくたくさんの方が、この映画を見てくださると良いですね~
投稿: jester | 2006.02.12 14:15
jesterさん、こんにちは。
この映画、コメントが難しい作品でした。
やっぱり、観てもらうのが一番です。
本当に、多くの人に観て欲しい映画ですね。
実は、弟が90年代半ばにJAICAで3年ほどケニヤに
行っていてのですが、その頃、近くでこんな事が
起きていたなんてニュースだけじゃ判らなかったです。
アフリカの状勢が危ういとは知っていたのですが、
"怖いね"で終わっていたようです。
このセリフが出てきた時は、胸が詰まるようでした。
投稿: あ~る | 2006.02.12 14:29
こんにちは!
私もやっと観てきました。
遠い国のことだから――と無関心でいることが、何よりも罪なことなんだと痛感しました。
でも、観て良かったです!!
そして出来れば、たくさんの人達にも観て、何かを感じてもらいたいです。
投稿: honu | 2006.02.19 08:10
honuさん、こんばんわ。
TB&コメントありがとうございます。
交通やインターネットで、世界は狭くなったと言われていますが、こういった過去を考えると現実は違うと思いますね。
本当に多くの人に観て、感じて欲しいですね。
投稿: あ~る | 2006.02.19 18:52
こんばんは。TB&コメントありがとうございました。ルワンダに続き、スーダンの悲劇を残念に思いながらも、この映画の持つ影響力というものをあらためて考えさせられます。
Gクルーニーも本当に活動的ですね。彼の作品「グッドナイト・グッドラック」もうちのほうでは今週末から公開です。楽しみです。
投稿: カオリ | 2006.05.10 00:15
カオリさん、TB&コメントありがとうございます。
これだけ情報が氾濫しているのに、まだまだ外国で起こっていることを知らない自分に気がつくキッカケになりました。
映画が持つ力の一つのお陰で、イロイロ考える事が出来てよかったです。
これからもよろしくお願いします。
投稿: あ~る | 2006.05.10 21:46
こんにちは、jamsession123goです。
jamsession123goの住む町でもようやく公開されたので、やっぱり映画は映画館で、と思って観てきました。
ブログの世界では、評価が結構高いようなので、あえて異を唱えるレビューにはしなかったのですが、そんなに悪い映画じゃないので、前評判なしに観れたら、もっと感動できただろうな、と思いました。
ただ、映画で描かれるシーンが、日ごろの生活から、あまりにも遠すぎるので、異次元に放り出されたような気分になりましたが。
とにかく、日本での上映決定おめでとう、という映画ですね。
投稿: jamsession123go | 2006.06.04 15:38
jamsession123goさん、こんばんわ。
確かにあまりにも現実離れしているようで、つい最近起きた事件にもかかわらず、なかなか実感なかったですよね。
だからこそ、その距離感が怖くなりました。
この作品にかかわらず、派手なハリウッド映画の影に、こういった良作が沢山隠れているように思います。そういった意味で、こういった形で公開されるのもいいことですよね。
投稿: あ~る | 2006.06.12 21:48