アメリカ,家族のいる風景
20年ぶりに『パリ、テキサス』のコンビ復活で話題の、映画『アメリカ,家族のいる風景』を観た。
ヴィム・ヴェンダース監督、サム・シェパード脚本に加えて、サム・シェパード自身が主演、更にサム・シェパードの実生活のパートナーでもあるジェシカ・ラングが共演と話題に事欠かない作品だ。
映画は、カウボーイ姿の男が馬に乗って荒野を走っているところから始まる。西部劇映画かと思ったが、やがてそれが映画スターのハワード(サム・シェパード)が撮影現場から逃亡したことだとわかる。彼は、30年ぶりに母の元に帰るが、そこで昔の恋人ドリーン(ジェシカ・ラング)が自分の子供を産んでいたと判り彼女を尋ねてモンタナ州ビュートへ向かう。
自分の息子にはじめて合う。これはハワードにとっても息子にとってもはじめての経験である。お互いに戸惑い、混乱するが、やがてその運命を事実として受け入れる同時に前に向いて歩き出す。この親子は本当にそっくりだ。その親子を母であり恋人のドリーンが温かく見守っている。
主人公の旅を通して成長を描くロードムービーは僕の好きなジャンル。ある意味わかりやすい映画形式で、この映画でもその点が効果的に出ている。画もキレイでかっこよく、観ているだけでも飽きない。
しかし、何故彼が突然映画の撮影現場から逃亡したかが最後まで理解できなかった。この映画のキーポイントだと思うのだが。また、重要な役どころでもう一人の子供である、サラ・ポーリー演じるスカイの存在も理解できなかった。一度観ただけでは、監督の意図するところが伝わってこなかったのが残念だ。他の作品も観て理解を深めないといけないかもしれない。
実は『パリ、テキサス』もまだ観ていない。前から観ようと思っているが、なんとなくDVDで観るのに気が引けている。こんな時、昔のような名画館があると嬉しいのに。
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» 『アメリカ,家族のいる風景』 [かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY]
丸ごと大好きなヴェンダース映画。
乾いた荒野のむこうにしっとり温かな絆があった。
ヴィム・ヴェンダース監督の愛したアメリカ。
かつて西部劇のスターだったハワード・スペンスは、新作の撮影現場から突然逃げ出す・・・。そこはユタ州モアブ。広大な荒野をカウボーイが馬に乗って駆けていく。西部劇のワンシーンのような映像に吸い込まれる、期待通りのヴェンダース映画の始まり。西部劇の撮影の途中に、俳優がそのまま馬に乗って彼方へ逃亡するなんて、いかにもという感じの魅力的な設定に出だしから嬉しくなった。サム・シ... [続きを読む]
» すいません、ちょっと眠ってしまいました「アメリカ,家族のいる風景」 [April april]
本当に申し訳ない。エイプリルです。
ものスゴク見たくて、公開と同時に出かけたのですが…。 [続きを読む]
» FUN … 『アメリカ、家族のある風景』 [FUN×5 ~五つの楽(fun)を探して~]
【enjoy weekday】 [続きを読む]
ロードムービーはいいですよねー。
あ~るさんは逃亡願望はないですか?(笑)
詳しい事情はわからなくてもなんとなーくありえると思ってしまう私ですー。
池袋文芸座で来月くらいにオールナイトのヴェンダース特集上映があるようです。
パリテキをスクリーンで観たいけれど、レイトは困りますー
投稿: かえる | 2006.03.25 15:40
かえるさん、こんばんわ。
逃亡願望はいっぱいあります。(笑)
単純に逃避したくなったと思えばいいんですね。
それだったら納得です!
ヴェンダース特集上映の情報もありがとうございます。
オールナイト、久し振りに頑張って行こうかな。
投稿: あ~る | 2006.03.26 01:47
あ~るさん、TB&コメントありがとうございます!
っと、この記事を見つけることが出来ずいました…
「写真展」等の記事は拝見してたのですが…
(実はこれすごく見たかったのです。いいなぁ)
ヴェンダース監督いいですよね!
個人的にはかなり好きな監督さんなのでぇす。ハイ
観る回を重ねるごとに深まる情景が堪らんのですよぉホホ
投稿: purple in sato | 2006.05.21 23:51
purple in satoさん、
TB&コメントありがとうございます。
ヴェンダース監督、最近、ようやく良さが判る様になってきました。^^;
「写真展」は場所も期間も限定だったので、タイミングよく見に行けてよかったです。
大判の写真ばかりで写真集では味わえないので、機会があれば是非。
投稿: あ~る | 2006.05.22 01:20